暑い季節に撮りたくなる写真のひとつが海の写真。空の青さや砂浜の美しさ、海で遊ぶ人々など、海を豊かに撮るにはさまざまな方法があります。
しかし、具体的にどんな風に撮れば美しく綺麗な海を写真に収めることができるのか、知りたい方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は海の写真を綺麗に撮るためのポイントや、カメラの設定など詳しくご紹介していきます。
是非最後まで読んでいただき、思い出に残る素敵な海の写真を撮影してみてくださいね。
海の写真を綺麗に撮るためのポイント(スマホもOK!)
はじめに海の写真を綺麗に撮るためのポイントをいくつかご紹介します。
コツを押さえればスマホでも簡単にドラマチックな海の写真を撮ることができますので、是非試してみてください。
光の向きを考える
まず2つの光の向きから撮り方を考えてみましょう。
<順光>
順光とは被写体に対し、正面からあたる光のことです。被写体に直接光が当たるため、カゲが後ろにできます。
色や形をはっきりと移すことができるので、海を撮る際も「青さ」を鮮やかに撮影したい場合は、順光で撮影するのがオススメです。
<逆光・半逆光>
逆光とは被写体が光を背負っている状態のことです。逆光で海を撮影すると、順光とは違った魅力があります。
色や形を鮮明に移す場合は順光がオススメですが、逆光で撮影すると、海面の光の反射を美しく撮影することができます。
海が波立っているほど海面がキラキラと輝き、波の躍動感を感じさせるドラマチックな写真になります。
逆光であれば人物も眩しくないため、しかめ面になりにくいですが、逆光では画面が暗くなりやすいため、設定を調整しながら撮影しましょう。
時間帯を工夫する
海をより美しく撮影するためには時間帯が重要です。
同じ場所でも時間帯によってガラリと印象が変わるのが、海を撮影するときの魅力です。
「青い海や澄み渡る空」を撮影したいのか「夕暮れのロマンティックな落ち着いた海」なのか、自分が撮りたいシチュエーションをイメージして時間帯を工夫しましょう。
<午前中>
しっかりと海の青さを収めたい場合は午前中の撮影がおすすめです。午前中は海の透明度も高いため、水中の撮影にチャレンジしたい方も午前中がよいでしょう。
海に陽の光が差し込んだ素敵な写真を撮影することができます。朝の早い時間帯であれば人も少なく、撮影スポットをじっくり探すこともできます。
<午後>
午後は太陽が少し傾き、真上から西にある状態になるため海面がキラキラ輝いて見えます。
午前中よりも光が柔らかくなるため、はっきりとした写真よりは柔らかい印象の写真に仕上がります。
<サンセット>
海で撮影する場合は夕方のサンセットの時間帯も人気です。日中の時間帯とはまた違ったドラマチックな雰囲気の写真を撮影することができます。
サンセットは時期によって時間帯が異なるので、事前に日の出・日の入りの時間を調べてから撮影しましょう。
アングルを意識する
広大な海を表現するためにアングルや構図も意識してみましょう。
<日の丸構図>
海を背景に人や浮き輪などの被写体を中央において撮影することでインパクトのある写真になります。シンプルでありながらも被写体に注目を集めることができる基本的な構図です。
<三分割構図>
空、海、砂浜が画面に均等に収まるように撮影します。
海などの風景を撮影する際に適した構図で、その時の天気や場所などのシチュエーションを表現することが出来ます。
上記の構図を意識しながら撮影する際の視線の高さを変えることで、いつもとは一味違った写真を撮影することができます。
さらに自撮り棒を使っての俯瞰撮影や、砂浜に寝そべっての足元からの撮影などにチャレンジするとワンランク上の写真になります。
>>脱初心者を目指すあなたに、上級編構図についてもっと知りたい方はこちら
>>知っていると写真がグッと上手くなる基本の12構図についてもっと知りたい方はこちら
グラデーションを意識する
色のグラデーションを意識して撮影することも海をキレイに撮るひとつのポイントです。
晴れていれば青い空から、青い海、そして浜辺にかけてのグラデーションがとても美しいひとつの風景になります。
そのグラデーションを1枚の写真に収めるためには、角度や高さなどあらかじめ撮影ポジションを決めておくのもポイントです。
特に、太陽が沈むにつれて空の表情が刻々と移り変わり、変化していきます。日没の撮影は時間との勝負にもなりますので、その劇的なグラデーションの瞬間を見逃さないように、そのときを狙いましょう。
余白をしっかり入れる
余白をしっかり入れることで写真がぐっと引き立ちます。
まず、海や空、砂浜など撮りたい主体を決め、その割合が多くなるように撮ることで目を引く写真にすることができます。
特に、海と空、砂浜をそれぞれ均等になるように撮影してしまいがちですが、主体を決めたらその主体が引き立つようにバランスをとり、余白をしっかりといれましょう。
小道具を工夫する
せっかく海で撮影するのであれば、様々な小道具を持って行くとさらに写真のバリエーションが増え楽しい撮影になります。
例えば、サンダルや麦わら帽子などは手にもつだけでも画になります。
<ラムネ>
瓶に入ったラムネもオススメです。
夏場の午前中に撮影すれば日差しがラムネのなかに輝き、海とマッチしたとても夏らしい写真に仕上がります。
<色が鮮やかな小道具>
曇りや雨の日の海はコントラストが低く、どんよりとした印象になってしまいがちです。そんなときこそ活躍したいのが小道具です。
色がはっきりとした赤色の傘やワンピースを身に着ければ、暗い海の中でもとても雰囲気のある写真になります。
海の写真を綺麗に撮るためのカメラ設定
次に海の写真を綺麗に撮るためのカメラ設定をご紹介していきます。
撮影モード
絞り優先モードがおすすめ。絞り優先モードは、F値(絞り値)を手動で設定することが可能です。
設定したF値に応じてカメラが自動でシャッタースピードとISO感度を設定してくれます。(ISO感度についてはオートに設定した場合)
F値の設定方法についてはのちほど詳しく説明します。
シャッタースピード
海の波が止まったような迫力のある表現をしたいときは、シャッタースピードを1/2000など短めに設定してみましょう。
逆に波の動きを表現したいときは、シャッタースピードを1/60あたりから徐々に長くしてみましょう。
カメラに手振れ補正機能がある場合はある程度遅くしてもブレずに撮影が出来ますが、無い場合は三脚を利用して手振れが起きないようにしましょう。
応用編にはなりますが、三脚とND(減光)レンズフィルターを用意してスローシャッターで撮影することで流れを糸状の幻想的なものにすることができます。
ISO感度
ISO感度は光の明るさに応じて高くしていきます。
ISO感度を高くすることで暗い所でも明るく撮影することが出来ますが、その分写真にノイズが入りやすくなります。
夏の海など太陽の光が強い場所での撮影でISO感度を手動で設定する場合は、なるべく低い値に設定するのがおすすめです。
晴れている場合はISO100-400くらい、曇りの場合はISO400-800くらいで設定してみましょう。
露出
露出とは、撮影の際に取り込まれる光の量のことで、明るくもなく、暗くもなく、自然に見える露出を適正露出といいます。
カメラは人間の眼と比べて明るい所と暗い所を同時に映すことが苦手です。
そのため、逆光での撮影になると被写体が暗くなり黒くつぶれてしまいます。
その時は露出を1段階あげてあげることで、若干背景の空や海が白くなってしまいますが、被写体を正しい明るさで映すことが出来ます。
F値
被写体に対して背景の海をぼかしたい時はF値を小さくなるように設定します。
逆に被写体と背景の海をどちらもはっきりと写したいときはF値が大きくなるように設定します。
まずはF4~F5.6あたりから撮影を始めて、撮影データを確認しつつ理想のボケ具合になるようにF値を調整してみましょう。
ホワイトバランス
ホワイトバランスとは、写真の中の白をしっかりと白に見せるための設定です。
人間とカメラでは色の認識の仕方が異なるため、できるだけ写真の色と人間が目で見ている色を近づけるように設定します。
初心者の人はまずはオート設定で始めてみましょう。オート設定でも十分正しい色味を再現してくれます。
オート設定の他にも「晴天」「日陰」など状況に応じたモードも用意されているのでより色味にこだわりたい場合はモードを切り替えてみましょう。
被写体の肌の色を美しくしたい場合はホワイトバランスを黄色寄りに、夏の海を青々と表現したい場合はホワイトバランスを青よりマニュアルで調整してみると表現の幅がさらに広がります。
カメラを持っていない方は、サブスクサービスでお試ししてみるのもおすすめです。
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まとめ
ここまで海の写真を綺麗に撮るための方法やカメラ設定についてご紹介してきました。
海の写真を撮影する場合は、撮り方のコツやカメラ設定を適したものにするとより表現の幅が広がり、さまざまな表情の海を撮影できます。
写真は実践あるのみです。是非今度の週末には小道具をもって早速近くの海で撮影で撮影してみましょう。
美しい海の写真が撮影できたら、みんなにシェアするのもオススメです。きっと素敵な夏の思い出になりますよ。