ピクルナ

撮影テクニック 2022.12.28

空をより青く撮る!PLフィルターの基礎と使い方徹底解説

伝えたい色を上手く表現できない! そんな悩み、PLフィルターが解決するかもしれませんよ。 くすんだ空の色、写り込みの激しいショーウィンドウ。 PLフィルターで鮮やかにクリアに残しましょう。 今回は初心者さん向けに基礎から使い方まで徹底解説します。

PLフィルターの基礎を知る

PLフィルターの特徴は?

PLフィルターは偏光フィルターとも呼ばれ、最大の特徴は「反射を抑える」点です。

分かりやすい例を挙げると「ガラスの写り込み」を抑えられます。

窓越しに外や内を撮ろうとしても、写り込みがひどくて本来写したかった物が全然分からない。

そんな経験、誰もがあるでしょう。

写り込みの原因はガラスに当たった光の反射。

PLフィルターは、そんな反射を抑える=写真をクリアに鮮やかにする効果があります。

この反射を抑えるという特徴は、ガラスや水面などだけではなく、撮影の多くの場面で役立ちます。

特に風景撮影にはPLフィルターと言われるほど。

さっそくPLフィルターが活躍するシーンを、作例とともに見てみましょう。

おすすめのシーンと作例紹介

PLフィルターを使いたいおすすめシーンを5つに分けて紹介します。

①水面

海、川、池から水たまりや飲み物まで。

水の表面は光を反射してキラキラします。

キラキラを写したい時はいいのですが、水中や澄んだ水を撮りたい時は邪魔ですよね。


反射を抑えることで透明感のある水を表現できます。

②ガラス

ガラスも光を反射しやすい代表。

窓やショーウィンドウなど、ガラスの内側を撮りたい時にもPLフィルターが活躍します。


③空

一見反射なんてない?と思う空ですが、青空をより青く撮りたい時にもPLフィルターの出番なんです。

光の反射を抑えることで、くすんだ空が鮮やかでクリアな空に。

コントラスト(明暗の差)がくっきりして白い雲が映えます。


また、空にかかる虹も鮮やかに写るのでぜひ試してみてください。

④植物

艶のある葉っぱや花は光を反射します。

実際の鮮やかさより白っぽく写ると魅力半減です。

特に紅葉の時期に重宝します。


⑤物撮り

広い範囲の物に言えますが、光沢のある面は光を反射します。

それをPLフィルターで抑えることで本来の質感や色を忠実に表現できます。

また、パッケージに入った食べ物にも効果てきめんです。


効果的なPLフィルターの使い方と注意点

次は、少しコツの必要なPLフィルターの使い方と注意点です。

PLフィルターは、実は取り付けただけでは効果を発揮しません。

①フィルターの前後を確認して取り付ける

二重構造になっているので、前後を間違えないように!

②被写体に対して、適切な角度でカメラを構える

水面やガラス面に対して正面で構えると、PLフィルターの効果が得られません。

30〜40度の角度をつけて撮りましょう。

また、太陽の位置も大切です。

まず太陽と撮影者を直線で結びます。

その直線から垂直方向が一番効果の出る向きです。

逆光や曇りの日はあまり効果が得られないので注意しましょう。

③PLフィルターの前枠を回して反射を調整する

ファインダーを覗きながらフィルターの前枠を回して、反射の度合いを調整します。

多くのPLフィルターには「▲マーク」があり、▲が真上に来ているときが効果最大です。

撮影において、必ずしも反射カット最大が良いわけではありません。

実際にファインダーやモニタを見ながら、理想とする位置を調整して使いましょう。

初めてのPLフィルター・失敗しない選び方

初めてPLフィルターを購入する時、何を見て選べばいいのでしょうか。

失敗しない選び方をまとめました。

必ずチェックしたいのは次の3つです。

1.フィルターサイズ

2.コーティングの有無

3.フィルターの厚み

フィルターサイズ

フィルターサイズは直径で表されます。

Φ〇〇mm、Φ〇〇、〇〇mmなどの表記があるので、必ず使いたいレンズの直径を確認してから購入しましょう。

もしサイズ違いのレンズにも使いたい場合は、ステップアップリングを使いましょう。

違うサイズのレンズにも装着でき便利です。

この場合は、一番大きいレンズに合わせたフィルターを買ってください。

コーティング

コーティングは2種類あります。

・反射防止コーティング:フィルター自体の反射を防ぎクリアな描写となる

・撥水・撥油コーティング:水や油が付着しづらいので汚れ防止になる

ご自身の使う環境によって選びましょう。

フィルターの厚み

フィルターの厚みは標準タイプと薄枠タイプの2種類。

PLフィルターが分厚いと、撮影に影響することがあります。

超広角レンズで広い範囲を撮る時に、四隅に黒くフィルターが写り込むなど。

広角系のレンズで使う場合には、できるだけ薄枠タイプをおすすめします。


この3点の他にも、様々なオプションがあります。

例えば「墨塗り加工」。

フィルターの外周を黒く加工して、レンズやフィルターでの反射を極限まで抑える効果があります。

便利なオプションが多い一方でやはりお値段も上がります。

安いものでは2,000円前後から1万円を超える物までピンキリです。

最初はPLフィルターの扱いに慣れる目的で、あまり高すぎない商品から始めるのをおすすめします。

※メーカーによって名称が違う場合あり

風景撮影に欠かせないPLフィルター

PLフィルターを使った作例を見ていかがでしたか?

「そうそう、こんな風に撮りたかった!」という方も多いのでは。

特に風景を撮ることが多いなら、ぜひPLフィルターの扱い方をマスターしておきたいですね。

美しい風景を、見たままの美しさで届ける。

一度使うと手放せなくなりそうですね。