PLフィルターの基礎を知る
PLフィルターの特徴は?
PLフィルターは偏光フィルターとも呼ばれ、最大の特徴は「反射を抑える」点です。
分かりやすい例を挙げると「ガラスの写り込み」を抑えられます。
窓越しに外や内を撮ろうとしても、写り込みがひどくて本来写したかった物が全然分からない。
そんな経験、誰もがあるでしょう。
写り込みの原因はガラスに当たった光の反射。
PLフィルターは、そんな反射を抑える=写真をクリアに鮮やかにする効果があります。
この反射を抑えるという特徴は、ガラスや水面などだけではなく、撮影の多くの場面で役立ちます。
特に風景撮影にはPLフィルターと言われるほど。
さっそくPLフィルターが活躍するシーンを、作例とともに見てみましょう。
おすすめのシーンと作例紹介
PLフィルターを使いたいおすすめシーンを5つに分けて紹介します。
①水面
海、川、池から水たまりや飲み物まで。
水の表面は光を反射してキラキラします。
キラキラを写したい時はいいのですが、水中や澄んだ水を撮りたい時は邪魔ですよね。
反射を抑えることで透明感のある水を表現できます。
②ガラス
ガラスも光を反射しやすい代表。
窓やショーウィンドウなど、ガラスの内側を撮りたい時にもPLフィルターが活躍します。
③空
一見反射なんてない?と思う空ですが、青空をより青く撮りたい時にもPLフィルターの出番なんです。
光の反射を抑えることで、くすんだ空が鮮やかでクリアな空に。
コントラスト(明暗の差)がくっきりして白い雲が映えます。
また、空にかかる虹も鮮やかに写るのでぜひ試してみてください。
④植物
艶のある葉っぱや花は光を反射します。
実際の鮮やかさより白っぽく写ると魅力半減です。
特に紅葉の時期に重宝します。
⑤物撮り
広い範囲の物に言えますが、光沢のある面は光を反射します。
それをPLフィルターで抑えることで本来の質感や色を忠実に表現できます。
また、パッケージに入った食べ物にも効果てきめんです。
効果的なPLフィルターの使い方と注意点
次は、少しコツの必要なPLフィルターの使い方と注意点です。
PLフィルターは、実は取り付けただけでは効果を発揮しません。
①フィルターの前後を確認して取り付ける
二重構造になっているので、前後を間違えないように!
②被写体に対して、適切な角度でカメラを構える
水面やガラス面に対して正面で構えると、PLフィルターの効果が得られません。
30〜40度の角度をつけて撮りましょう。
また、太陽の位置も大切です。
まず太陽と撮影者を直線で結びます。
その直線から垂直方向が一番効果の出る向きです。
逆光や曇りの日はあまり効果が得られないので注意しましょう。
③PLフィルターの前枠を回して反射を調整する
ファインダーを覗きながらフィルターの前枠を回して、反射の度合いを調整します。
多くのPLフィルターには「▲マーク」があり、▲が真上に来ているときが効果最大です。
撮影において、必ずしも反射カット最大が良いわけではありません。
実際にファインダーやモニタを見ながら、理想とする位置を調整して使いましょう。
初めてのPLフィルター・失敗しない選び方
初めてPLフィルターを購入する時、何を見て選べばいいのでしょうか。
失敗しない選び方をまとめました。
必ずチェックしたいのは次の3つです。
1.フィルターサイズ
2.コーティングの有無
3.フィルターの厚み
フィルターサイズ
フィルターサイズは直径で表されます。
Φ〇〇mm、Φ〇〇、〇〇mmなどの表記があるので、必ず使いたいレンズの直径を確認してから購入しましょう。
もしサイズ違いのレンズにも使いたい場合は、ステップアップリングを使いましょう。
違うサイズのレンズにも装着でき便利です。
この場合は、一番大きいレンズに合わせたフィルターを買ってください。
コーティング
コーティングは2種類あります。
・反射防止コーティング:フィルター自体の反射を防ぎクリアな描写となる
・撥水・撥油コーティング:水や油が付着しづらいので汚れ防止になる
ご自身の使う環境によって選びましょう。
フィルターの厚み
フィルターの厚みは標準タイプと薄枠タイプの2種類。
PLフィルターが分厚いと、撮影に影響することがあります。
超広角レンズで広い範囲を撮る時に、四隅に黒くフィルターが写り込むなど。
広角系のレンズで使う場合には、できるだけ薄枠タイプをおすすめします。
この3点の他にも、様々なオプションがあります。
例えば「墨塗り加工」。
フィルターの外周を黒く加工して、レンズやフィルターでの反射を極限まで抑える効果があります。
便利なオプションが多い一方でやはりお値段も上がります。
安いものでは2,000円前後から1万円を超える物までピンキリです。
最初はPLフィルターの扱いに慣れる目的で、あまり高すぎない商品から始めるのをおすすめします。
※メーカーによって名称が違う場合あり
風景撮影に欠かせないPLフィルター
PLフィルターを使った作例を見ていかがでしたか?
「そうそう、こんな風に撮りたかった!」という方も多いのでは。
特に風景を撮ることが多いなら、ぜひPLフィルターの扱い方をマスターしておきたいですね。
美しい風景を、見たままの美しさで届ける。
一度使うと手放せなくなりそうですね。