トレイルカメラといえば、近くにいなくても動体を検知して自動で撮影ができるタイプのカメラです。あまり聞きなれないカメラのため、詳しく知らない人も多いはず。そこでこの記事では、トレイルカメラの概要やメリット、選ぶポイントなどを詳しく解説しています。
トレイルカメラとは?
まずはトレイルカメラとはどんなものなのか、どのように使うのかを解説します。
トレイルカメラの特徴
トレイルカメラとは動物や人の動きを感知して自動で撮影するカメラのことです。主に屋外での使用を想定して設計されており、防水・防塵性能や耐久性に優れていることが特徴。電源や無線がなくても使える機種もあり、山奥や海岸など大自然の中にも設置できます。
トレイルカメラの使い方
トレイルカメラの詳しい使い方は機種によって違いますが、大まかな使い方としては次の4ステップです。
- カメラを設置する場所を決める
- カメラを固定する
- カメラの設定を行う
- カメラを起動する
カメラを設置する場所は、撮影したい対象物や景色がよく見える場所を選びましょう。場所が決まったら、カメラの付属品や市販の固定器具を使用して固定します。プレ撮影をしながら撮影範囲を調整しましょう。撮影モードや感度、タイムラグなど細かな設定をしてから、カメラを起動したら完了です。
トレイルカメラの活用シーン
トレイルカメラが活躍するシーンは主に3つあり、野生動物の撮影、防犯対策、定点観測です。それぞれについて詳しくみていきましょう。
野生動物の撮影
トレイルカメラの活用方法として最も多いのは、野生動物の撮影です。山奥や海岸などにカメラを設置しておけば、動物の動きを検知した時に自動で撮影してくれます。人が近づくと逃げてしまう野生動物の自然な行動や生活状況を観察することが可能。動物を探す手間もかかりません。また、希少動物の密猟や違法狩猟を防止するために、トレイルカメラを活用した監視も行われています。
>>「カメコン【動物を愛でたい!写真コンテスト】みんなのコンテスト紹介」
防犯対策
トレイルカメラのもう一つの活用方法として、防犯対策があります。例えば、家の周辺や駐車場など、防犯が気になるポイントにカメラを設置しておけば、不審者の侵入や車上荒らしなどを検知して撮影することができます。また、トレイルカメラで撮影した写真は犯罪の証拠になることも。警察に提出して捜査に役立てることもできますよ。
定点観測
少しニッチな活用方法ですが、トレイルカメラは定点観測にも活用できます。例えば、工事現場や河川敷などの安全確認、森林火災の監視などのシーンです。トレイルカメラを設置しておけば、離れた場所から特定の場所を24時間監視できます。
トレイルカメラのメリット
独特の特徴を持つトレイルカメラですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
どんな場所でも設置できる>
トレイルカメラの一番のメリットは、設置できる場所に制限がないことです。電源や無線がなくても稼働でき、簡単な固定器具で木の幹などに設置できます。普段とは違った視点で撮影できるため、今までにない写真も撮影できるかもしれません。
>>「【写真のスタイル100選・前編】新たなジャンルの写真に挑戦してみましょう!」
離れていても録画・撮影が24時間できる
トレイルカメラは自動で撮影するため、離れていても録画・撮影が24時間可能です。撮影場所に人がいないことにより、普段では撮影できない状況を見ることができます。
電源や通信環境が不要
トレイルカメラは主に電池で動作するため、電源や通信環境が不要です。カメラを設置するための電源や通信機器を別途用意する必要がなく、気軽に導入できます。
トレイルカメラのデメリット
トレイルカメラを導入する際には、メリットだけではなくデメリットも確認しておきましょう。
誤作動する可能性がある
トレイルカメラはセンサーが動きを感知した時に動作をするシステムです。そのためレンズに止まった虫や風で動いた草などの動きを誤って感知し、撮影してしまうことも…。あまりにも誤作動が多い場合、記録メディアの容量を圧迫したり、データ回収後の確認作業が多くなったりします。
電池交換する必要がある
電池の電力で動作するトレイルカメラは、離れた場所で撮影ができるとはいえ、電池交換のために定期的に現地を訪れなければなりません。交換の頻度は周囲の気温や撮影頻度によって変わりますが、おおむね1~2ヵ月といわれています。長期間の撮影に挑む場合は、購入する電池の量も意外と多くなるかもしれません。
盗難される可能性がある
トレイルカメラは通常のデジタルカメラと比べると安価ですが、決して何個も購入できるわけではありません。所有者がカメラを設置してから離れるという性質上、盗難される可能性があります。固定する方法を工夫し、少しでも盗難リスクを抑えましょう。
トレイルカメラを選ぶポイント
トレイルカメラを選ぶ時には使い方や目的にあった製品を選ぶことが大切です。以下のポイントを押さえておきましょう。
照射ランプの種類で選ぶ
トレイルカメラが撮影するときに対象にあてるのが照射ランプです。照射ランプには、大きく分けて4種類があり、それぞれ特徴が異なります。
- ノーグロー (不可視光)ライト
- ローグロー (赤色可視光)ライト
- 白色LEDフラッシュライト
- ストロボフラッシュ
ノーグローライトやローグローライトは人や動物の目に見えにくい光を使用するため、撮影されたことに気づかれにくいです。しかし夜間撮影時には白黒画像になり、鮮明さには欠けるかもしれません。
白色LEDフラッシュライトやストロボフラッシュライトは、カメラのストロボと同様に光を発します。撮影には気づかれてしまいますが、シャッタースピードが稼げるため被写体ブレを抑えられたり、鮮明なカラー画像を得ることができます。
トリガースピードで選ぶ
実はトレイルカメラは、動体を感知してからすぐに撮影を始めるわけではありません。この時間をトリガースピードと呼びます。トリガースピードが遅い場合、対象によってはカメラの前を通りすぎた後に撮影が始まってしまうことも。撮り逃しを防ぐためには、トリガースピードの速い機種がおすすめです。
センサーの有効範囲で選ぶ
トレイルカメラはセンサー内で動体を検知したときに撮影を開始するシステムです。そのセンサーにも実は有効範囲があります。また撮影対象が小さい場合、より広い範囲での検知が必要です。機種によって有効範囲が異なるため、選ぶ時に注意しましょう。
バッテリーの持続時間で選ぶ
トレイルカメラのバッテリーや電池の持続時間は、意外と重要なポイントです。カメラの設定や設置場所の気温などで持続時間が変わります。もし持続時間が短い場合、電池交換に高い頻度で設置場所を訪れなくてはなりません。せっかくのトレイルカメラのメリットが失われてしまうともいえるでしょう。できるだけバッテリーの持続時間が長いカメラがおすすめです。
ポイント別!厳選おすすめトレイルカメラ
トレイルカメラを選ぶポイントを押さえても、結局どれがおすすめなの?と迷ってしまう人も多いはず。ここでは重視する観点に合わせたおすすめ製品をご紹介します。
画素数の高い/高画質な製品
トレイルカメラで高画質な撮影をしたい人におすすめなのは「TREL(トレル) 40J-T」です。最大画素数4800万画素(静止画)とデジタル一眼カメラにも匹敵する画質で高精細な写真に仕上がるでしょう。また、照射ランプも白色フラッシュライトとローグローライトの両方を搭載しており、撮影シーンや対象に応じて使い分けることもポイントです。
センサーの有効範囲が長い製品
センサーの有効範囲が長く、小さい対象や離れた場所にいる対象も逃さずに撮影したい場合には、ブッシュネルの「トロフィーカムXLT(32MP,ノーグロウDC4K)」がおすすめです。センサー有効範囲が約36mもある製品。さらに画素数3600万画素、トリガースピード0.15秒とその他の性能も申し分ありません。
防水・防塵機能の高い製品
屋外でハードな使い方が想定される場合、防水・防塵機能がないとすぐに壊れてしまいます。防水・防塵機能の評価はIPコード[e]と呼ばれる数字がポイントです。最高クラスのIP68を持つトレイルカメラにはラムエンタープライズの「LTL-6210 WMG PLUS 940NM LED」があります。粉体が製品内部に入り込まず、水没してもOKな仕様で安心して屋外で使用できますよ。
ソーラー充電ができる製品
トレイルカメラは電池交換が必要なことがデメリットに挙げられていますが、ソーラー充電ができる製品であれば解決可能です。ハンファQセルズジャパンの「DVR-Z0-SP」は、電源にソーラーパネルと電池の2つを併用しています。ちなみに1万円前後の安価な価格で購入できるため、初めてのトレイルカメラにもおすすめです。
まとめ
この記事ではトレイルカメラの特徴や活用シーン、製品の選び方をご紹介しました。離れた場所で自動で撮影できるトレイルカメラは、通常のカメラとは違った写真を撮影可能です。
主に動物の撮影で活用されていますが、アイデア次第でさまざまなシーンで使えるでしょう。製品を選ぶ際には画素数だけではなく、トリガースピードやセンサー有効範囲などのトレイルカメラ独特のポイントにも注意が必要です。
少しでも気になった方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。