誰もがカメラを持ち歩き、写真を気軽に撮影することができる現在。スマートフォンの普及により、老若男女、年代問わず誰もが簡単にカメラを使うことができるようになりました。
しかし、現在に至るまでカメラはとても貴重なものでした。
今回はそんなカメラの歴史や、発展し現在に至るまでを詳しく解説していきます。是非最後まで読んで頂き、カメラのことをより身近に感じていただければと思います。
始まりは19世紀!カメラの歴史を振り返えろう
この章ではカメラの起源から、発展まで年代を追って解説していきます。
普段は知る機会がないような、世界で初めて撮られた写真や歴史を知ることで今使っているカメラにも、より愛着が湧いてくるかもしれません。
撮影が実現したのは19世紀
カメラの起源はとても古く、紀元前までさかのぼります。
それは、暗い部屋に小さな穴を開けてそこから入り込む部屋の外の風景を見る装置でした。
その後、さまざまな改良が行われ、19世紀になるとフランスのニセフォール・ニエプスという人物が世界で初めて写真の撮影に成功したと言われています。
その写真のタイトルが「ル・グラの窓からの眺め」
ニエプスが窓の外を写した風景写真です。鮮明な写真ではありませんが、世界で初めて撮影された写真となると感慨深いものがありますね。
出典:Wikipedia
「ル・グラの窓からの眺め」
「ネガポジ」の発明で写真の世界が広がる
その後、ニエプスは改良方法を求めて、ルイ・ジャック・マンデ・ダゲール氏と協力し、研究を進めていきます。
ニエプスの死後、ダゲールはさらに開発を続け、世界で初めて販売されたカメラを作り出しました。
そして、1841年にイギリス人の科学者ウイリアム・ヘンリー・タルボットが、焼き増しのできる「ネガ・ポジ法」を完成させました。露光時間は2~3分と大幅な短縮に成功し、カメラの世界が一気に広がっていったのです。
一眼カメラの誕生でカメラ市場が盛り上がる
そして、1950年に世界で初めてとなるペンタプリズム式一眼レフカメラ、「コンタックスS」が発売されました。
当時はドイツのカメラが全盛期を迎えている時代ではありましたが、そのドイツを上回るほどの勢いを持ったのが日本の一眼レフカメラでした。ニコン(旧社名「日本光学」)の「F」が頂点を極めたのです。
デジタルカメラの誕生で一般的にも浸透
1988年、ついにデジタルカメラが誕生しました。
フィルムを使用せず、SDカードなどの記憶媒体を使用して画像を記憶することで、撮影した写真をその場で確認できるようになりました。
今では当たり前のことですが、フィルムのようにすべて現像しなくてもよくなったことで一般的にもカメラが浸透するきっかけにもなりました。
そして現在・・・
現在では、誰もがカメラを気軽に使って撮影できる時代になりました。デジタルカメラだけでなく、スマートフォンのカメラ機能でプロ並みの写真が撮れるまでに進化しています。
そんな中、最近では若い世代を中心に古いカメラが流行っています。フィルムカメラ、ヴィンテージデジタルカメラ、写ルンですなどノスタルジックな写真を撮影できるカメラなどです。
歴史は一周するといいますが、どんな写真も簡単にそして鮮明に撮影できる現代において、とても面白い傾向ですね。今後のカメラの歴史にも注目です。
カメラの歴史に関するQ&A
この章ではカメラの歴史にまつわるよくある質問をまとめました。
世界で初めて発売されたカメラは?
1839年、フランスのルイ・ジャック・マンデ・ダゲールが銀板写真を発表し、世界で初めてのカメラ「ジルー・ダゲレオタイプ・カメラ」も発売されたと言われています。
今ではボタン一つで写真が撮影できますが、中の箱をひきだしのように前後させてピントを合わせて使用するなど、1枚撮影するのも大変な苦労がうかがえます。
しかし実はカメラそのものの仕組みは、昔も今も変わっていません。
出典:カメラ博物館
日本で初めて写真を撮った人は?
1841年、上野俊之丞(日本人写真家の祖と言われる上野彦馬の父)がフランスで発明されたばかりのカメラを輸入し、写真を撮影したと言われています。
その撮影を行った日、6月1日は「写真の日」として制定されました。
その後の調査で、実際は1857年9月17日が正しいとされましたが、記念日は6/1のまま現在に至っています。
写真がカラーになったのはいつから?
白黒写真から、現在のような鮮やかなカラー画像にたどり着くまでには、長い道のりがありました。
1861年、トーマス・サットン氏が初めてカラー写真の撮影に成功したと言われています。
赤、緑、青のガラスのプレートを使って何枚かの画像を撮影し、段階を踏むことで、あらゆる画像の色を作ることができることを発見しました。
しかし、それまで白黒の写真が主流だったこともあってか、カラー写真に人気が出るようになるのには数十年を要しました。
1970年代、ウィリアム・エグルストン氏などの写真家たちが、展覧会などでカラー写真を発表する中で徐々に認識されるようになったといわれています。
日本でカメラが普及したのはいつ頃?
1903年、小西本店から、「チェリー手提暗函(てさげあんばこ)」という乾板カメラが発売されました。
このカメラの誕生は、日本で最初に量産されたカメラで、当時では比較的手頃な値段だったため、プロのカメラマンや写真家だけでなく、一般の人も写真を撮れるようになった大きな手助けになったと言われています。
出典:日本カメラ博物館
カメラの歴史とカメラメーカーの関係
カメラの歴史を語るうえで欠かせないのがカメラメーカーです。
スマートフォンの普及で苦境に立たされた時代もありましたが、新しい需要を発見し、試行錯誤を繰り返し、現在も広く愛されています。
今回は長きに渡り愛される、カメラメーカー3社をご紹介します。
カメラ業界を牽引【カシオ】
デジタルカメラの歴史といえばカシオといわれるほど、カシオは日本のデジタルカメラの発展に大きな役割を果たしました。
1995年、カシオがQV-10というデジタルカメラを販売したことで、日本のカメラの歴史は大きく変わり、一般の人にも受け入れられるきっかけになりました。
カメラのレンズが後ろを向いて自撮りができるスタイルも、カシオのQV-10が発祥といわれています。
20年以上にわたり、日本のカメラ界を牽引してきたカシオですが、2018年にカメラ事業からの撤退を発表しました。
現在は医療機器としてのデジカメ開発を続けているそうです。
プロから初心者まで人気【キャノン】
1933年、「ライカに匹敵する高級製品を」とカメラの製造事業をスタートさせたキャノン。
キヤノンは、カシオと並んで日本のデジカメ界を牽引してきたメーカーの1つです。プリンターや複写機といった事務機器などの日本における代表的なメーカーです。
代表的な人気機種としてあげられるのは「EOS Kiss」
それまではカメラといえば男性が撮影するのが主流でしたが、カメラに不慣れな女性をターゲットにし、一眼レフカメラのユーザーを拡大することに大きく貢献をした歴史があります。
日本を代表するメーカー【富士フイルム】
「写真フィルムの国産化」という夢を掲げ、1934年に誕生した富士フィルム。
フィルム開発で培った技術で、カメラ製造にも力をいれており、カシオが市場を撤退した現在、とても力あるメーカーの1つと言われています。
色の再現性に高い評価があり「Xシリーズ」などはとても人気があります。
また、多様な種類を製造しているのも富士フイルムの特徴です。
写ルンですやintaxチェキもそのひとつ。
特にチェキは1998年から続くインスタントカメラで、機械本体からすぐに写真が出てくるという画期的な商品で現在も若者を中心に人気が高い商品です。
まとめ
ここまでカメラの歴史についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
カメラはとても古くから研究されており、現在の技術もどんどんと進化しています。今でこそ、手軽に動画や写真を手軽に撮影できる時代ですが、ここまでに至るまで先人たちの様々な努力があったことがとてもよくわかりました。
今後のカメラの進化にも是非注目していきたいですね!
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